北村正裕BLOG

【北村正裕のナンセンスダイアリー】童話作家&シンガーソングライター、北村正裕のブログです。 執筆情報用ホームページ(童話作家・北村正裕のナンセンスの部屋) http://masahirokitamura.my.coocan.jp/ と、音楽情報用HP(北村正裕アート空間) http://masahirokitamura.art.coocan.jp/ もよろしく。 X(旧ツイッター)アカウントは「@masahirokitamra」です。

『かがみの孤城』アニメ映画化の発表

先日、「『かがみの孤城』は正当に評価されていない?」というブログ記事の中で、「紹介のされ方が偏っている」と書いたばかりの小説『かがみの孤城』(辻村深月作)のアニメ映画化(劇場アニメ化)が発表されました。2022年冬公開とのこと。
その公式サイト
https://movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/
に掲載された紹介文を見ると、小説の紹介文のうち、先日、「余計な一言」と書いた「生きづらさを感じているすべての人に贈る物語」という部分が削除され、
「学校での居場所をなくし閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐりぬけた先にあったのは、不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる」
という部分が、少し加筆された形で掲載されていて、小説の紹介としても、このほうがよいように思います。映画の紹介文では、「こころ」という主人公の名前の前に「中学生」という一言がはいって、わかりやすくなっているのもよいと思います。
また、新たに、
「城の中には秘密の「鍵」が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うという―」
という一文も加わっています。

先月電子出版した『夢の中の第3村:「エヴァンゲリオン」「まどかマギカ」と「かがみの孤城」の芸術論』(北村正裕著、Kindle版)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PMMW9HS/
の書名の「第3村」は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に出てくる村の名前ですが、この作品論の中身は、「エヴァンゲリオン」よりも、「かがみの孤城」についての記述のほうに多くのページを費やしていて、もし、『かがみの孤城』の鏡の城に印象的な固有名でもあればそちらを使ってもよいところだったくらいです。第二章では、『かがみの孤城』連載版から十七年版への大改作を検証して評価していますが、もともと、この紹介を書かなければということで書き始め、さらに、自分自身も立ち会うことになった日本の現実のフリースクールのスタートのころのことや、小説『かがみの孤城』とアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』との比較などを書き、その時点では、まだ、『エヴァンゲリオン』について触れることは避けるつもりでいたくらいです。というのも、『エヴァンゲリオン』シリーズは、95年に放送が始まったテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に始まり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの完結に至るまで、非常に頂戴なアニメであり、かつては、『新世紀エヴァンゲリオン』について論じた『エヴァンゲリオン解読』(北村正裕著、2001年、三一書房)を出版しましたが、新劇場版シリーズまで論じるとなると大変なことになってしまいそうだし、そうなると、原稿を読んでくれる出版社がないかもしれないという懸念も感じたからです。それでも、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの完結編である『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021年3月)を見て、『かがみの孤城』を論じるのに『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に触れないわけにはいかないと感じ、計画を変更したという経緯があります。その結果、出版社に持ち込んで企画を採用してもらうことは当面難しいと判断し、とりあえず、電子版のみ個人で出版することにしたわけです。
執筆のきっかけを考えれば、仮に、今後、紙の本としての出版もできる可能性があれば、例えば、書名は、『「かがみの孤城」、奇跡のラストの誕生」などという書名も悪くないかなあなどとも思ったりしていますが、どうでしょう? しかし、出版社への売り込みというのは、簡単ではないので、やはり、難しいかもしれません。『エヴァンゲリオン解読』(三一書房)のときは、『エヴァンゲリオン』論に興味を持っている編集者を探せばよかったわけで、それは、当時の出版物を読むことで可能だったのに対して、3作品を論じるとなると、読んでくれる人を探すのは、多分、簡単ではないでしょう。一般読者であれば、3作品のすべてを見ていなくても、『かがみの孤城』だけを読んでいるか、または、来年以降なら、その映画を見ていればそれだけでもよいわけですが、編集者の立場では、『エヴァンゲリオン』も『まどかマギカ』も全然見ていないという場合には、その部分の作品論の原稿などなかなか読む気になれないでしょうからね。
『かがみの孤城』について論じている『夢の中の第3村』の第二章~第四章が小説『かがみの孤城』の既読者のための章ということは、本の序章にも書いた通りですが、アニメ映画化された後は、小説未読でも映画鑑賞を終えた人なら読める章ということになると思います。
『かがみの孤城』のアニメ映画により、小説『かがみの孤城』の読者でこれまでアニメにはあまり興味がなかったという人で、『エヴァンゲリオン』や『まどかマギカ』というアニメにも興味持って、『夢の中の第3村』を読んでみようと思ってくれる人も出てくるかもしれませんね。是非、そうしてください。

〔『夢の中の第3村』電子出版のお知らせブログ記事〕
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52485925.html

〔ホームページ内の『夢の中の第3村』電子出版情報リンクのページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/villege3-l.htm


【22年11月12日追記】
22年1月に電子出版した『夢の中の第3村』の内容を再構成したものが、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』の書名で、12月に彩流社から出版されることになりました。
小説『かがみの孤城』(辻村深月作)を読み終えた方で、その奇跡のようなラストの誕生の背景について興味持たれた方には、是非、お読みいただきたいと思います。

彩流社の情報ページ
https://www.sairyusha.co.jp/book/b10025211.html

情報記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52493986.html

(22年11月12日追記)

『かがみの孤城』は正当に評価されていない?

17年に単行本が発行された小説『かがみの孤城』(辻村深月作)は、昨年3月のポプラ文庫版発行の時点で、すでに「100万部突破!」と宣伝され、さらに、今年3月にはキミノベル版も出るということですが、その紹介のされ方が偏っているように思います。
以前ツイートしたことなのですが、「生きづらさを感じているすべての人に贈る物語」という宣伝文句を反復しているだけのような紹介文ばかりが目だってしまって、まだ、文学として正当に評価されていないように感じてしまいます。
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1443876814259032072

先月電子出版した『夢の中の第3村:「エヴァンゲリオン」「まどかマギカ」と「かがみの孤城」の芸術論』(Kindle版)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PMMW9HS/
の第二章では、『かがみの孤城』連載版から十七年版への大改作を検証して評価していますが、これまで、このようなことが評価されていなかったと思います。

今回、『夢の中の第3村』で論じたようなことが、これまで語られてこなかったのには、それなりの理由があると思います。連載版を入手しようにも、今では、ほとんど入手不可能になっているということが、その理由の一つでしょう。そこで、『夢の中の第3村』第二章では、連載版について、十七年版の内容を確認しながら、ひとつひとつ連載版との違いを解説して、連載版から必要な引用もしています。
タイムファンタジーの要素など、連載開始時には全く想定されておらず、連載終了時に作者が得たアイデアと矛盾する記述が、連載版には多数見られ、これらを、最初から書き直そうという決断こそ、あの十七年版誕生の最大の原動力であるし、連載期間以上の時間をかけての大改作の作業を編集者と共同でやり通したことは評価されてよいだろうと思います。『七ひきの子やぎ』を謎解きの鍵にするというアイデアについても、十七年版には伏線として早い段階から書かれていますが、それらは、連載版になかったものです。大改訂によって何がもたらされたか、それは、とても興味深いことで、結果として、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』などとの比較にも値するスケールの大きい作品になったと言えると思います。そのことは、『夢の中の第3村』第四章などに書いてあります。
また、十七年版の『かがみの孤城』(十七年版の単行本と二十一年文庫版との違いはわずかです)は、連載版とは矛盾するその結末が命と言ってもよいくらい秀逸で、そこでの驚きの感動体験は稀有なものなので、ネット上には決定的な「ネタバレ」になってしまうような文章は載せたくないため、自分も、本一冊分のボリュームのある『夢の中の第3村』は、一定の手続きを経なけれな読めない「電子書籍」という形にしましたが、もっと短い文章でも、多くの人が、ネット上の誰でもが無料で見られるようなところにはネタバレ記事を掲載したくないと考えるなずで、結局、具体的な内容に触れることが出来ず、似たり寄ったりの紹介文ばかりが目だってしまうのかもしれません。

版元のポプラ社の公式ページ
https://www.poplar.co.jp/pr/kagami/
には、
「学校での居場所をなくし閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐりぬけた先にあったのは、不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。生きづらさを感じているすべての人に贈る物語」
という紹介文が掲載されていますが、最後の「生きづらさを感じている」というところ以外は、よく書けている紹介文だと思い、最後のいわば余計な一言が、多くの紹介文で反復されているのは残念なことだと感じています。

「生きづらさを感じているすべての人に」というところばかりが繰り返されると、まるで、そういうことを自覚している人だけのための本というように誤解されてしまうのではないかと心配してしまいます。
先日、「そのような境遇の子達にすすめてくる周囲のささやかな善意は悪意に似ています」というツイート
https://twitter.com/fQ84TYjpnRgSkTQ/status/1482564563576897536
を見つけましたが、そのようないわば違和感を感じる人がいてもおかしくないと感じるほど、これまでの『かがみの孤城』の紹介のされ方は偏っていたと思います。

偏った「おすすめ」コメントよりは、むしろ、
「学校での居場所をなくし閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐりぬけた先にあったのは、不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる」
という部分だけの方がよいのでは? この部分だけでも充分、読んでみたいという気持ちを引き起こせると思うし、少なくとも、自分の場合はそうでした。そして、「すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる」という部分、たしかにその通りです。

これまで、この感動的なラストを生むための、連載版からの大改作の努力などが正当に評価されてこなかった……。
「生きづらさを感じているすべての人に贈る物語」という紹介では、何だか重苦しい雰囲気が連想されてしまいますが、それは、連載版にのみ当てはまることであって、大改作を経て生まれた十七年版は、エンターテインメントとして充分に評価されてよい傑作だと思います。特に、SFやファンタジーが好きな人なら、ほぼ誰でも楽しめるような作品だと思います(序盤は、やや重苦しいですが)。
ネタバレ回避の配慮をしながらの紹介では、たしかに、限界がありますね。

20220131SS00002

20220131SS00005

googleの検索画面より

〔『夢の中の第3村』電子出版のお知らせブログ記事〕
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52485925.html

〔ホームページ内の『夢の中の第3村』電子出版情報リンクのページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/villege3-l.htm


【22. 2. 5追記】
『かがみの孤城』の紹介のされ方が偏っていると書いたので、自分で紹介文を考えて、先日、2月3日のツイートに書きました。
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1489181774211330048

【22. 2. 3ツイートに書いた『かがみの孤城』の紹介】
学校に居場所を失くした少女の前で鏡が光る。通り抜けると謎の城。集められた七人に見つかる共通点。しかし、新たな謎が解けないまま事件は起こる…… 衝撃のラスト読了までネタバレ情報に注意!

【22.2.24追記】
『かがみの孤城』アニメ映画化が発表されました。22年冬公開ということです。
https://twitter.com/Kagami2017Tea/status/1496681293668564997

【22年11月12日追記】
22年1月に電子出版した『夢の中の第3村』の内容を再構成したものが、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』の書名で、12月に彩流社から出版されることになりました。
小説『かがみの孤城』(辻村深月作)を読み終えた方で、その奇跡のようなラストの誕生の背景について興味持たれた方には、是非、お読みいただきたいと思います。

彩流社の情報ページ
https://www.sairyusha.co.jp/book/b10025211.html

情報記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52493986.html

(22年11月12日追記)

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」第3村の教室のモデル、天竜二俣駅運転区会議室

アニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の前半に登場する第3村の風景のモデルのひとつが天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅であることは、映画のエンディングクレジットに「ロケーション協力」として「天竜浜名湖鉄道」の名が出ていることなどから広くしられることになり、特に、転車台と鉄道博物館は、天竜浜名湖鉄道の見学ツアーで見学できることから、現在、ネット上にも多くの写真が投稿されていますが、名前のない仮称アヤナミレイもエヴァ搭乗用のプラグスーツ姿のまま通っている教室の風景のモデルになった部屋は、天竜浜名湖鉄道の見学コースに含まれていないため、関係者以外ははいれない部屋ということになると思います。そんな中、天竜浜名湖鉄道の松井宜正社長の21年12月17日のツイート
https://twitter.com/0404Matsui/status/1471656519532167169
に、第3村の教室のモデルと思われる部屋の写真があり、天竜浜名湖鉄道、天竜二俣の「運転区会議室」という説明もあるので、紹介します。投稿されている「会議室」の写真は、実際に、会議が行われているところの写真です。

20220123SS00002


第3村の教室は、現在、amazonプライムビデオで配信されている『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
https://www.amazon.co.jp/dp/B098T4QYZ3/
の38分30秒のところに出てきます。プラグスーツ姿の仮称アヤナミレイの姿が右端の座席にあります。実在の会議室の「社是 安全 正確 共存」という文字が、映画の中の教室では「校是 共存 協調 教育」となっています。

『夢の中の第3村』(北村正裕著、Kindle版電子書籍)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PMMW9HS/
の第一章では、この教室、
「制服や変な規則のある学校はないようだが、エヴァ搭乗用のプラグスーツ姿の名前も ない仮称アヤナミレイでも自由に通えるような塾かフリースクールかボランティアによる学習支援会のような学びの場もある」
と、紹介しています。

転車台と鉄道歴史館の見学ツアーの情報は、天竜浜名湖鉄道のサイトの中の「転車台・鉄道歴史館見学ツアー」のページ
https://www.tenhama.co.jp/events/5018/
にあります。

201804tensyadaiomote
天竜二俣駅転車台・鉄道歴史館見学ツアーパンフレット

ネット上には、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開前の時期に投稿された動画もあります。
例えば、smile先生による「天竜浜名湖鉄道、転車台・鉄道歴史館見学ツアー」という動画
https://youtu.be/0K5FAgzNOxs
は、20年7月に投稿された動画で、3分未満の長さにまとめられています。



見学ツアーではドローンを飛ばしたりするわけにはいかないので、上空からの撮影はできませんが、天竜浜名湖鉄道の公式インスタグラムの21年12月28日の投稿
https://www.instagram.com/p/CYBITvjF_H0/
には、上空からのアングルの写真があります。

20220123SS00001


映画のエンディングクレジットの「ロケーション協力」のところには、「大山千枚田保存会」や「くめがわ電車図書館」の名もありますが、千葉県の大山千枚田の写真は、ネット上に多数存在し、例えば、千葉県公式観光情報サイト「まるごとe!ちば」の中の「大山千枚田」のページ
https://maruchiba.jp/sys/data/index/page/id/7456
などに写真があります。
また、くめがわ電車図書館については、「えん乗り」というサイトの中の「くめがわ電車図書館」のページ
https://ennori.jp/3157/kumegawa-train-library
に、「写真提供:東村山市」という説明書きのある写真があります。

〔ホームページ内の『夢の中の第3村』電子出版情報リンクのページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/villege3-l.htm

village3-ci03

amazon220122-2

20220124SS00001

【2024年2月19日追記】
2024年17日、天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅の夜の転車台&鉄道歴史館見学ツアーに参加し、第3村の教室のモデルの会議室も見学できました。
新しい記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52515491.html
に写真も掲載しました。
(2024.2.19追記)

『まどかマギカ』『かがみの孤城』と『シンエヴァンゲリオン』の考察研究解説本を電子出版

『夢の中の第3村:「エヴァンゲリオン」「まどかマギカ」と「かがみの孤城」の芸術論』(北村正裕著)を電子出版しました(Amazon Kindle版)。KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)のシステムを利用した電子出版です。
この電子本は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を含むアニメ『エヴァンゲリオン』シリーズと『エヴァンゲリオン』の強い影響を受けて生まれたアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』、そして、『まどかマギカ』によって定着したパラレルワールドの考え方を土台にし、『エヴァンゲリオン』と同様に、居場所を求める孤独な少年少女の物語でもある小説『かがみの孤城』(辻村深月作)の三作品をジャンル横断的に論じる作品論(あるいは、研究解説本)です。
三作品のつながりを、現実の相対化という観点にも注目して、『エヴァ』について従来言われてきた現実回帰という読み方と真逆な読み方を提示するなどし、『かがみの孤城』については、連載版から単行本への大改作の詳細な検証も行い、連載版になかった衝撃のラストの誕生の背景、歴史的意義を探り、必要なあらすじ解説もしながらそのそれぞれの作品の特徴について論じています。
アニメ『エヴァンゲリオン』シリーズのうち、『新世紀エヴァンゲリオン』については、2021年に『エヴァンゲリオン解読 そして夢の続き』(北村正裕著、三一書房)を出版していて、これは、現在では、『完本 エヴァンゲリオン解読』のタイトルで静山社文庫の一冊になっていますが、今回は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズについての考察を含む作品論であり、現在のところ、紙の本の出版の予定はありませんが、KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)のシステムを利用して電子出版しました。
『エヴァンゲリオン』に興味をお持ちの方、『魔法少女まどか☆マギカ』のファンの方、そして、『かがみの孤城』のファンの方には、是非、お読みいただきたく、お知らせいたします。
ただし、第二章~第四章は、小説『かがみの孤城』のネタバレになってしまうため、これらの章は、小説『かがみの孤城』を読み終えてからお読みいただくようにおすすめします。『かがみの孤城』は、初読時のラストでの驚きと感動の体験がかけがえのないものになるはずなので、先にネタバレ情報に触れないようにご注意ください。

目次
序章 孤独な少年少女の居場所としての「エヴァンゲリオン」と「かがみの孤城」
第一章「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が見せた第3村の夢 ― もうひとりのレイが見つけた新しい居場所―
第二章「かがみの孤城」連載版から十七年版への大改作 ― 当初の予定になかった衝撃のラスト―
第三章「かがみの孤城」が示した類型化への抵抗 ― 学校で傷つけられた子どもとフリースクールの時間軸―
第四章「かがみの孤城」と「魔法少女まどか☆マギカ」 ― 因果律と現実世界の相対化―
第五章虚構の中の創造主 ― 「エヴァンゲリオン」と円環の物語

『夢の中の第3村:「エヴァンゲリオン」「まどかマギカ」と「かがみの孤城」の芸術論』(北村正裕著、Amazon Kindle版電子書籍、2022年1月)商品ページ(Amazon)のURLは
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PMMW9HS/
です。

「note」(https://note.com/ )に、「『かがみの孤城』連載版から十七年版への大改作を検証」というエッセイを掲載しました。こちらは、『かがみの孤城』の決定的なネタバレを避けながら大改作を概観するエッセイです。
https://note.com/kitamuramasahiro/n/nf18cdc4141da

また、「『まどマギ』『かがみの孤城』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を比較(考察本紹介)というエッセイも掲載し、こちらは、 『夢の中の第3村』(北村正裕著、Amazon Kindle版電子書籍)の序章と第一章の一部の内容を紹介する内容です。
https://note.com/kitamuramasahiro/n/n6b8efc75c4f6

【追記】
1カ月以内に、Kindleストアで、 『夢の中の第3村』(北村正裕著、Amazon Kindle版電子書籍)の24時間限定無料キャンペーン実施の可能性があります。その場合、その24時間前までに、北村正裕ツイッター
https://twitter.com/masahirokitamra
でお知らせする予定です。

【22. 1. 6追記】
『夢の中の第3村』のタイトルにもなった「第3村」が登場するアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、Amazonプライムビデオでサブスク配信されています。
https://www.amazon.co.jp/dp/B098T4QYZ3/
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ4部作の完結編で、ロボットアニメの映画としては初めて興行収入100億円を突破するというすごい記録も達成した作品(「エヴァ」は一応、ロボットアニメにはいるようです)。「第3村」は、この映画の前半に登場する架空の村です。
(22. 1. 6追記)

〔北村正裕ホームページ内の『夢の中の第3村』情報リンクページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/villege3-l.htm

village3-ci03

【21. 1.22追記】ツイッターでお知らせしていた24時間限定無料キャンペーンは
1月22日16:59終了予定です。17時以降は有料になりますが購入できます。
また、kindleunlimitedの会員の方は購入していなくても無料で読むことができます。

amazon220122

22年1月22日、無料キャンペーン実施時のamazonのランキング画面

〔関連ツイート】
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1484792953092849667

20220122SS00006

【22. 1.27追記】
1月24日、新しいブログ記事「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』第3村の教室のモデル、天竜二俣駅運転区会議室」掲載しました。
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52486501.html
天竜浜名湖鉄道公式インスタグラムの投稿や松井宜正社長のツイートを紹介しています。
(22. 1.27追記)

【22. 8.16追記】
『夢の中の第3村: 「エヴァンゲリオン」「まどかマギカ」と「かがみの孤城」の芸術論』(Kindle版電子書籍)の内容を再構成の上、加筆、改題して新刊本として出版するための準備中です。発売時期など、詳しい情報については、後日、ツイッター
https://twitter.com/masahirokitamra
でお知らせできると思います。
(22. 8.16追記)

【22年11月12日追記】
22年1月に電子出版した『夢の中の第3村』の内容を再構成したものが、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』の書名で、12月に彩流社から出版されることになりました。
小説『かがみの孤城』(辻村深月作)を読み終えた方で、その奇跡のようなラストの誕生の背景について興味持たれた方には、是非、お読みいただきたいと思います。
『エヴァンゲリオン』について論じている第4章と序章以外は、『かがみの孤城』のネタバレになってしまうため、第1~第3章は、小説『かがみの孤城』を読み終えるか、または、22年12月公開予定のアニメ映画『かがみの孤城』を見てから読んでいただけるようお願いします。

彩流社の情報ページ
https://www.sairyusha.co.jp/book/b10025211.html

情報記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52493986.html

(22年11月12日追記)

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」evangelion:3.0+1.01バージョン、上映期間内に

ここ数日、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のチケットが、朝の段階で完売という状況が続いていましたが、本日、6月15日(火)、午前0時の発売直後にネットで購入して、久々にチケット入手して、見てきました。

P_20210615_131145
2021年6月15日、シネマサンシャイン池袋

20210615SS00002
グランドシネマサンシャイン池袋の21年6月15日朝のホームページ画面より

都内の映画館の場合、4月下旬から5月までの休館の前と違って、当日午前0時にならないと発売されないようになっている上、現在、通常の定員の半分の客しかいれないようになっていて、チケット確保が難しくなっているようです。「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の場合、すでに、公開から3カ月が経過し、最近公開された映画も多いため、以前より上映回数が少なくなっていることもチケット入手を難しくしている原因ですが、さらに、6月12日(土)から「ラストラン」期間の企画として、部数限定での入場者プレゼントの配布などが行われていることや、公開時の3.0+1.0バージョンに、一部、カットの差し替えなどの微細な修正を加えた新バージョン、3.0+1.01バージョンでの上映(IMAX等を除く)になっていることが観客の集中の大きい原因になっているのでしょう(自分も同じです)。

6月12日(土)から「ラストラン」期間の企画については、公式サイトのニュースページ
https://www.evangelion.co.jp/news/210607-2/
に掲載されています。

映画.comのサイトの国内映画ランキングのページ
https://eiga.com/ranking/jp/
を見ると、6月12日~13日のランキングでは、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が1位となっています。

20210615SS00003

6月14日のオリコンニュース
https://www.oricon.co.jp/news/2196510/full/
を見ると、
「前週の土日と比較して、興行収入で960.5%、観客動員数で939.8%とラストランは関係者も驚くロケットスタートとなった」
とあります。
新しい映画が続々と公開されているので、公開から3カ月が経過している「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の上映回数が減ってしまうのは仕方がないのかもしれませんが、ここまで完売の映画館が続出しているのだから、もう少し、上映回数増やしてもらえないのでしょうか?それが無理でも、いますぐ上映終了ということにはしないで欲しいものです。

「上映終了の前にもう一度」と思っている人は、まだまだ多いと思いますが、ここ数日、チケットが入手できなかった人にも、まだ、入手のチャンスはあると思います。
TOHOシアターのウェブサイトの情報ページ
https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/shin-evangelion.html
に映画館のページへのリンクがあります。

6月12日以降の上映のひとつの特徴は、公開時の3.0+1.0バージョンに、一部、カットの差し替えなどの微細な修正を加えた3.0+1.01バージョンでの上映(IMAX等を除く)になっていることです。ですから、当然、初期バージョンとの違いにも注目したいところです。どのように変わったのか、はっきりとはわかりませんが、一応、以前と印象が変わったように感じたところを挙げておくと、終盤、「アヤナミとシキナミ型パイロットは、すべて、このため」というゲンドウの台詞より後の映像が、ところどころ、従来のものと違っているように感じました。他にも、前半の第3村のパートでの湖のほとりの廃墟でのシンジとペンギンの映像なども、前と違っているように感じましたが、今回、初めて、「BESTIA(ベスティア)」という高画質・高音質での上映(通常料金より200円高いですが)を見てきて、全体にかなりクリアな映像と感じたので、初期バージョンと新バージョンの違いなのか、通常上映とBESTIA上映の違いによる印象の違いなのか、印象の違いの原因はよくわかりません。通常上映ではよく見えなかった部分がよく見えて、そのため、従来から見えていた部分への注意が散漫になるという可能性もあるので。また、第3村のパートに挿入される塾かフリースクールの教室のような静止画では、従来の上映では、画面右にプラグスーツ姿のアヤナミレイ(仮称)の後ろ姿がはっきり確認できたのですが、今回、画面左の方を見ているうちに次の絵に移ってしまい、その部分、見逃してしまいました。どうなっていたでしょう?(もう1回見ないとダメかな?)結局、変更点、わかりません。
今回は、evangelion3.0+1.01バージョンですが、後日、ブルーレイディスクが発売されるときには、さらに修正されて3.0+1.11バージョンになるかもしれないので、そうなると、3.0+1.01バージョンが見られるのは、今だけということになるかもしれませんね。まだ、ご覧になっていない方は、上映期間内に、是非、お見逃しなく!(制作会社さんの作戦に完全に乗せられていますねえ)
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、今回の観劇が7回目で、自分の映画鑑賞の歴史の中で、「THE END OF EVANGELION」(1997年公開)の14回に継ぐ第2位に浮上してしまいました。

今回、入場者プレゼントとして配布された冊子「EVA-EXTRA-EXTRA」に掲載されている漫画「EVANGELION:3.0(-120min.)」漫画(松原秀典、前田真宏)には、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の前日譚というべき作戦直前のマリとアスカの対話が描かれています。他にも、様々なイラスト、そして、最後に、27年前に庵野秀明さんがメカニックデザイン担当の山下いくとさんにデザイン発注する際に描いたというエヴァ初号機のイメージスケッチが掲載されています。

DSCN0836
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」入場者プレゼントとして限定配布されている冊子

【追記】3月のブログ記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52478019.html
にも書いたことですが、今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、2007年にスタートしたヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ4部作の完結編ですが、この4部作では、95年~97年の「新世紀エヴァンゲリオン」と同じキャラクターの物語でありながら、「新世紀エヴァンゲリオン」とは違い世界、パラレルワールドでの、「新世紀エヴァンゲリオン」とは違う運命が描かれていて、「新世紀エヴァンゲリオン」と比較しながら見ると深く味わえるような内容になっているので、新劇場版シリーズを先にご覧になった方には、後でゆっくり、「新世紀エヴァンゲリオン」(テレビシリーズ26話+劇場版)もご覧になるとよいと思います。また、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」をご覧になりましたら、その解釈本「エヴァンゲリオン解読」の文庫版「完本エヴァンゲリオン解読」(北村正裕著、静山社文庫)もおすすめです。

〔関連ツイート}
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1385509451445137409

20210518SS00001


〔ホームページのエヴァンゲリオンコーナー〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/eva.htm

【21. 6.21追記】本日、21日、8回目の観劇してきました。第3村の塾の教室のようなカット、アヤナミレイ(仮称)の位置は、画面の右のほうだと思っていましたが、むしろ真ん中寄りですね。緊急事態宣言の解除にともない、映画館の入場制限も解除されたようで、先週とは違って、チケット入手しやすくなっています。土日の分は、前日か前々日に購入した方がよいかもしれませんが、平日なら、当日でもチケット入手可能な映画館が多いと思います。先週は、ちょっと異常でしたね。

【21. 7.21追記】「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、一部の劇場を除き、7月21日で上映終了とのことです。
https://twitter.com/evangelion_co/status/1414782366422237184
自分の場合、先月(6月)下旬に腰痛に見舞われて、現在、映画も見られない状況なのですが、見に行ける人たちには楽しんでいただきたいです。
一部劇場、例えば、新宿バルト9などでは、まだ、上映が続くようです。
https://tjoy.jp/shinjuku_wald9/cinema_detail/C2244
amazonプライムビデオでは、8月13日より、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の配信が始まるようです。
https://twitter.com/PrimeVideo_JP/status/1417288253607227395
https://www.eva-info.jp/14739

【21. 8.12追記】「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、amazonプライムビデオで、本日深夜(13日0時)配信開始ということです。そして、10月1日、国立美術館で庵野秀明展スタートということです。
https://twitter.com/khara_inc2/status/1425635666684112902
(21. 8.12追記)

【22. 3.25追記】
「エヴァンゲリオン」公式ツイッターの22年3月11日のツイート
https://twitter.com/evangelion_co/status/1502238149258268676
に、「上映バージョンが 1.0 から1.01に進化した際、 画面に関してリテイクしたカット数は 【169カット】 でした」
と、あります。
このツイートは、3月8日の「シン・エヴァ公開1周年に寄せられた質問に対する庵野総監督の回答」の追加という形のツイートですが、3月8日のツイートの「まとめ」が、IGNのサイトの「シン・エヴァ公開1周年に寄せられた質問に対する庵野監督の回答まとめ」という記事(22年3月9日)
https://jp.ign.com/shin-evangelion/58255/news/1
になっています。
(22. 3.25追記)

記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ