20年3月8日の記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52466508.html
では「追記」を含めて、Yahoo!知恵袋の中の質問で、ネット動画「高校数学プラス10題-2019-」(北村正裕制作)シリーズを見れば解決するものをいくつか紹介しましたが、その後もそういう質問ページがいくつも見つかるので、今回も、最近のもので、「高校数学プラス10題-2019-」の第1回「それって、同様に確からしい?」
https://youtu.be/hLp5rqdnMnc
を見れば解決するはずのYahoo!知恵袋の中の質問を、まず、いくつか紹介します。

22年3月25日の「数学の確率です……」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12259299057
は、「同様に確からしい」という概念がポイントになる典型的な質問の例だと思います。

22年3月27日の「この説明についてなのですが……」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11259384026

22年1月31日の「確率 同時にコインを投げるのになぜ区別して考えるのですか? ……」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11256334176
も、同じく「同様に確からしい」という概念がポイントになる典型的な質問の例と言えるでしょう。

22年1月28日の「確率の問題です……」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12256175912
も、解法次第では、同じことがポイントになる問題に関するものです。

少し前の質問ですが、20年10月8日の質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11232750126
も、やはり、「同様に確からしい」という概念がポイントになる典型的な質問の例です。

確率問題では、しばしば、「同様に確からしい」と言える数え方ができているかどうかの確認が重要なポイントになりますが、上記の質問の中では、その結果、「同じものを区別して考える」ことが必要になっているわけですが、重要なのは、「同じものを区別して考える」というのは結果であって、重要なのは、あくまでも、「同様に確からしい」と言える数え方をすることです。それさえ出来れば、もちろん、いつでも「同じものを区別する」必要があるわけではありません。

例えば、少し前の質問ですが、20年6月19日の質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14227033184
にある問題の場合は、3つのO、2つのAを区別しない数え方でも解けます。

ところが、22年2月2日の「場合の数は同じもの同士を区別しないが確率は同じもの同士を区別する、と考えていいでしょうか」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12256441647
では、何と、「それで良いと思いますよ」という回答が「ベストアンサー」に選ばれてしまっています。同じページに、そもそも「区別」など不可能な例を示した別の回答もあるというのにです。

さらに、22年2月3日の「確率は同じものでも区別して考えると書いてある……」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10256491980
に添付されている画像を見ると、それは、受験参考書の一部を写した写真のようですが、そこには、何と、「確率では、同じものでも区別して考える」などという怪しげな記述が写っています。
画像にあるページだけでは前後関係がわからないので、このページの画像だけを見て批判するのは必ずしも適切ではないかもしれませんが、少なくとも、このような記述が、ネット上の書き込みに見られるような多くの高校生や大学受験生の誤解を助長している可能性は高いように思います。
それにしても、「確率では、同じものでも区別して考える」などというそもそも意味が曖昧で誤解を与えかねないような記述内容を、その意味を理解せずに、丸覚えしようとする学生の勉強の仕方には問題があるでしょう。
先ほどの22年2月2日の「場合の数は同じもの同士を区別しないが確率は同じもの同士を区別する、と考えていいでしょうか」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12256441647
の場合でも、質問者は、「それで良いと思いますよ」という回答を「ベストアンサー」に選んでしまっています。そもそも、区別など不可能であるような確率問題の実例が、他の回答の中で示されているにもかかわらず。意味をきちんと理解しようとせずに「方法」だけを丸暗記しようとするのは、もしかしたら、受験産業、受験教育の悪影響の見本なのかもしれないと思ってしまいます。
高校の教科書には、「確率では、同じものでも区別して考える」などという意味のはっきりしない怪しげな記述は一切ないはずですが、正確さよりも受験生ウケするような丸暗記主義の教条を書きたがる受験参考書などには、結果的にいわば「ニセ解説」が結構あるのかもしれません。個々の問題について考えなければならないことなのに、何にでも通用する「公式」のような、いわば魔法のような方法が有難がられるという実情に乗っかった商売上の事情、いわば企業の論理が、「ニセ解説」、「フェイク情報」を助長してしまっているように思います。そういういわば怪しい「ニセ解説」のようなものがないと売れないという状況は嘆かわしいですが、そういう状況に迎合してしまう商売のやり方にも問題があるのではないでしょうか?

結果的に、ネット上などに、高校数学についてのいわば「ニセ情報」が氾濫しているという状況になってしまっているようです。高校数学に限らず、どんな情報でも、自分の頭で考えて真偽を判断するしかないでしょう。数学の場合は、論理的に考えて真偽を判断しうるものですから、特に、「結果」だけを丸暗記しようとせずに、自分の頭で考えて判断するということをしないといけないと思います。

20年10月1日の「この問題の……」という質問
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13232392563
には、「某参考書で確率は全部区別とならいその言葉で納得する反面わけわからなくなることもあります」とあり、やはり、怪しげな記述の受験参考書の存在が疑われるわけですが、それでも、この質問者の場合は、「わからなくなることもあります」と書いて質問をしているので、受験参考書を信じてしまう面を持ちつつも、自分の頭で考えるという姿勢はあるのだと思います。しかし、この場合でも、「その言葉で納得する反面……」という記述からは、受験参考書の記述を疑わずに丸覚えしようとする姿勢もあることがわかり、これは、とても危険なことだろうと思います。それが危ういことだと、この質問者の場合は気付けたとすればよかったと思いますが、危うい丸覚えを続けている高校生や大学受験生が多い可能性が高いように思えるので、注意を促したいと思います。
高校数学に限らず、自分で考えずに、情報をうのみにしてしまう姿勢は、とても危険で、いわゆるニセ情報、フェイク情報を信じてしまうことにつながってしまうので、注意が必要だと思います。

〔北村正裕ホームページ紹介ページ〕
https://masahirokitamura33.wixsite.com/masahirokitamura

〔HP内の教育関係情報リンクのページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/edu-l.htm

〔HP内の教育活動情報のページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/edu.htm

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〔画像関連ページ〕
https://youtu.be/hLp5rqdnMnc
https://twitter.com/Miracle_5ympho_/status/669895926555668481
https://twitter.com/masmt/status/13105842494
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52448211.html

【追記】
ブログ記事紹介ツイート
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1525062950943195136