「安房直子記念 ライラック通りの会」が発足し、4月5日に、第1回の会が開かれ、僕も参加しました。安房さんが作品を発表していた同人誌「海賊」のメンバーだった方などが世話人となっていて、「花豆の会」の活動を引き継ぐ形で、童話作家、安房直子さんの作品を語り継ぐ会で、会の詳細は、会のブログ
http://blog.goo.ne.jp/awa-lilac
に掲載されています。
今回は、安房さんとの名コンビで多くの絵を描かれた画家の味戸ケイコさんを招いての会で、味戸さんのお話をうかがうことができました。
色々なお話をうかがうことができましたが、ひとつだけ紹介しますと、味戸さんが、安房さんの「鳥にさらわれた娘」の絵本化を出版社に提案したところ、「ストーカーみたいな話だなあ」と言われ、採用されなかったとのことです。出版界の現状を垣間見るようなお話と感じました。味戸さんの提案でさえなかなか採用されないのですから、僕が、自分の作品を持ち込んでもなかなか採用されないのは当然でしょうね。そういう中で、たとえば、かつて、僕の「遺失物係と探偵」が、安房さんの「北風のわすれたハンカチ」とともに、偕成社発行のアンソロジー「わすれものをした日に読む本」(1992年)に収録されたことなどは、幸運だったと思っています。これは、自分で売り込んだのではなく、私家版で出した作品を編集委員の方に拾ってもらったものです。
僕の場合、かつて、安房さんの「夏の夢」、「ほたる」(講談社文庫「だれにも見えないベランダ」所収、現在は絶版)を読んだのがきっかけで、自分も童話を書こうと思うようになったので、安房さんは特別な作家です。この2作品は、いまでもとても好きな作品ですが、最近では、「ひぐれのひまわり」もとても好きです。
僕が特に気に入っている「夏の夢」「ほたる」「ひぐれのひまわり」の3作品は、どれひとつとして、偕成社の「安房直子コレクション」に収録されていないのですが、これも、出版社の方と自分の好みの違いを象徴していることのように思えます。

しかし、一方で、以前、13年10月25日の記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52309707.html
の中でも書いたように、名作童話集「銀のくじゃく」がkindle版電子書籍として電子出版されるなど、入手しやすくなっているものもあります。

ホームページに「安房直子作品集と収録作品」のページ
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/awa.htm
がありますので、ご参照いただければさいわいです。

【15. 6.15追記】「安房直子記念~ライラック通りの会」のブログのURLが変更になりました。新しいブログのURLは
http://lilac-dori.hatenablog.com/
です。
(15. 6.15追記)