小説『かがみの孤城』(辻村深月作)について論じる作品論、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生―源流「エヴァンゲリオン」「まどかマギカと虚構と現実の芸術論』(北村正裕著、彩流社、2023年1月刊行)、一般書店での販売は今月中旬ごろからということです。
出版社からの情報では、川崎の映画館、チネチッタなど、一部の映画館では一般書店より早く販売されているそうです。
映画『かがみの孤城』鑑賞後または原作読了後にお読みください。

彩流社の情報ページ
https://www.sairyusha.co.jp/book/b10025211.html

版元ドットコムのページ
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784779128769

紀伊国屋書店のページ
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784779128769

hontoのページ
https://honto.jp/netstore/pd-book_32090684.html

amazonのページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4779128765


『かがみの孤城』は、映画と原作小説とでは、ラストシーンとその直前シーンとの順番が逆になっていますが、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』で言う「奇跡のラスト」のラストとは、もちろん、原作小説、2017年版のラストのことです。『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』の出版は、映画公開より後になりましたが、執筆は、ずっと前、『かがみの孤城』の映画化が発表されるよりも前のことで、22年1月に『夢の中の第3村』のタイトルで電子出版したものを再構成し、加筆修正を加えたものです。22年1月の電子本は、『かがみの孤城』との比較対象として取り上げたアニメ作品『エヴァンゲリオン』シリーズの完結編の映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に登場する村の名前に由来するタイトルにしましたが、今回は、メインとなる『かがみの孤城』の名を書名にいれました。実際、この本は、小説『かがみの孤城』読了かまたは映画鑑賞を前提としていますが、比較の対象として取り上げているアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』と『エヴァンゲリオン』については視聴も予備知識も、一切、前提としないように書かれています。

小説『かがみの孤城』(辻村深月作)は、2013~14年に雑誌「asta*」に連載されたものの、物語の途中で連載終了となり、その後、大改作を経て完成した形で2017年に単行本として生まれ変わったものです。そして、その17年版の衝撃のラストシーンは、連載開始時には想定されておらず、むしろ、連載版とは矛盾するものでした。新しいアイデアに基づく物語を完成させるために、作者が最初から書き換える決断をし、その書き換えを実行したことが、この傑作誕生につながったのであり、その大改作の努力は高く評価されるべきものだろうと思います。そして、その大改作の検証が、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』第1章の内容です。そして、新しい結末誕生の背景を探るのが第2章以降の内容です。第2章では、日本のフリースクール誕生のころの教育の世界の状況からその後の教育の歴史にも触れ、『かがみの孤城』の訴えの特徴を考えます。また、第3章では、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』と『かがみの孤城』の親和性と対称性について考え、そして、第4章では、『魔法少女まどか☆マギカ』の源流とも言えるアニメ『エヴァンゲリオン』シリーズのうち、新劇場版シリーズの完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』について論じています。第4章だけは、『かがみの孤城』未読、未鑑賞のエヴァファンの方が読んでもよいように書かれていますが、第1~第3章は、必ず、小説『かがみの孤城』を読み終えるか、または、映画『かがみの孤城』鑑賞後にお読みになるようにお願いします。

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一部の映画館ではすでに販売されているようですが、amzaon、hontoなどでは予約受付中です。
https://twitter.com/a_ranking_news/status/1610335977477926912

〔北村正裕HP内の「かがみの孤城」関連リンクページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/kagaminokojo-l.htm

〔北村正裕ツイッター〕
https://twitter.com/masahirokitamra

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【追記】
出版お知らせツイート(23年1月16日)
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1614910263576399876


【23. 4. 2追記】
先月、23年3月に出版された『Another side of 辻村深月』(辻村深月著、KADOKAWA刊)に収録された「辻村深月の人生を変えたアニメ5選」という記事(17年の「anan」の記事の再録)に、辻村さんご本人が『新世紀エヴァンゲリオン』を「人生を変えたアニメ」として挙げられているのを読みました。『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』では、アニメ『エヴァンゲリオン』(『新世紀エヴァンゲリオン』と新劇場版)を『かがみの孤城』のひとつの源流と位置づけ、第4章では、新劇場版の完結編である『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を中心に『エヴァンゲリオン』を『かがみの孤城』との比較という観点から論じましたが、辻村さんご本人が『かがみの孤城』出版年である17年当時に『エヴァ』を「人生を変えたアニメ」として挙げられていたことは、今回の再録で初めて知りました。
(23. 4. 2追記)

【23. 5.27追記】
「ハヤカワ ミステリマガジン」23年7月号の「BOOOK REVIEW(ミステリ・サイドウェイ)」のページ(嵩平何さん執筆)のページに、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』(北村正裕著、彩流社刊)が紹介されています。
「後半では同作と『まどか☆マギカ』や『エヴァンゲリオン』との比較というフックがあり、興味深く読み通せた」(同誌P.208)等々。
エヴァファンの方は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』などを論じている第四章を先に読まれるのもよいと思いますが、第一~第三章は、『かがみの孤城』原作小説読了後か映画鑑賞後にお読みください。

情報ツイート
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1662317760456835074

(23. 5.27追記)

関連ツイート
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1662319895240114176

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