北村正裕BLOG

【北村正裕のナンセンスダイアリー】童話作家&シンガーソングライター、北村正裕のブログです。 執筆情報用ホームページ(童話作家・北村正裕のナンセンスの部屋) http://masahirokitamura.my.coocan.jp/ と、音楽情報用HP(北村正裕アート空間) http://masahirokitamura.art.coocan.jp/ もよろしく。 ツイッターアカウントは「@masahirokitamra」です。

翼をください

赤い鳥『翼をください』歌詞「今富とか」削除の真相

70年代前半に、フォークグループ「赤い鳥」によって歌われ、その後も多くのアーティストによってカバーされ、小中学校の教科書に掲載されるなどして、歌い継がれている名曲「翼をください」(山上路夫作詞、村井邦彦作曲)の歌詞に、いくつかのヴァージョンがあることについては、このブログでも、09年7月13日の記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/51606184.html
などでも書きましたし、それぞれのヴァージョンによさがあると思いますが、多くの楽譜に掲載されている長いヴァージョンのうち、2番の歌詞の「今 富とか 名誉ならば いらないけど 翼がほしい」という部分が、71年に初めて発売されたレコードでは削除されている理由について、今朝の「朝日新聞」の「be on saturday」に掲載されている「うたの旅人」の記事では、「『今 富とか~』で始まる2番冒頭の歌詞は、曲の長さを抑えるためにレコードでは省略された」と書かれています。この記事には、作詞者の山上路夫さんや「赤い鳥」のメンバーだった山本潤子さん等への取材内容も含まれているようなので、かなり信憑性が高いように思います。また、下記[関連ブログ記事紹介]の中の「もうひとつの夕景工房」の記事の内容とも一致しています。

[関連ブログ記事紹介]
「キューピーBGMの独り言」10年2月6日の記事
http://qpbgm.sblo.jp/article/35172676.html

「もうひとつの夕景工房」の09年5月の記事
http://kei1959.blog43.fc2.com/blog-entry-155.html

「noBlog SINSEIの自己中で行こう!」の09年7月の記事
http://sinsei.coolblog.jp/nnnoblog/index.php?UID=1247403533

「ある広告人の告白」の08年6月の記事
http://mb101bold.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_0712.html

「天満スイッち編集室」の08年5月の記事
http://blog.livedoor.jp/maki_days/archives/51110623.html

「ある音楽人の日乗」の07年4月の記事
http://blog.goo.ne.jp/mh0914/e/a21bd72765a2ad1f1a9660dbc07912fe

赤い鳥「翼をください」のオリジナル歌詞

先日の記事
http://masahirokitamura.blog.drecom.jp/archive/64
で、70年代フォークの名曲「翼をください」が、映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」に使われたとこに触れ、さらに、以前、今年2月11日の記事
http://masahirokitamura.blog.drecom.jp/archive/60
で、歌詞にいくつかのヴァージョンがあることを書きましたが、最近、得た情報を考慮すると、2月の記事の中で触れたヤマハ音楽振興会主催の合歓ポピュラーフェスティバル'70で初めてこの曲が披露されたときの歌詞は、2月の記事で「ロングヴァージョン」と呼んでいたものであった可能性が高いようです。
というのは、「第1回世界歌謡祭ライブ・バージョン」ということになっている音源での歌詞がロングヴァージョンになっているようなのですが、
ヤマハ音楽振興会のサイトの「第1回東京国際歌謡音楽祭(第2回より「世界歌謡祭」に名称変更)」のページ
http://www.yamaha-mf.or.jp/history/e-history/wpsf/wpsf1.html
に掲載されている情報を見ると、第1回世界歌謡祭(東京国際歌謡音楽祭)に赤い鳥は参加していないようなので、問題の音源は、同じ70年に赤い鳥が参加して「翼をください」を初披露し「新人奨励賞」を受賞した「合歓ポピュラーフェスティバル'70」(歌謡祭の少し前)のライブ音源なのではないかと思われるからです。
こうなると、ロングヴァージョンが、もっとも古い歌詞で、いわばオリジナルということになりますので、「今富とか名誉ならばいらないけど翼がほしい」という歌詞は、レコーディングのときに削除されたということになります。
この削除された歌詞は、赤い鳥のメンバーによって、その後のライブでもしばしば歌われ、楽譜も出回っていますが、この歌詞が削除された71年レコードヴァージョンと比較すると、一長一短あると思います。ライブでは、この歌詞が引き立つことがある反面、先日公開された映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」での挿入歌のように、BGM的に使われる場合には、71年レコードヴァージョンの方が美しい感じがすることもあると思います。映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」に問題の歌詞があったら、かえって、「富とか名誉」へのこだわりみたいなものが感じられて、アニメ「エヴァンゲリオン」のヒロイン、綾波レイの純粋さに似つかわしくなくなってしまったかもしれません。映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見て、「翼をください」の71年レコードヴァージョンのよさに初めて気づきました。多くのカバー演奏が71年レコードヴァージョンを採用しているのは、それが、レコードとしては最初に発表されたヴァージョンであるからでしょうが、それには、それなりのよさがあるのだと思いました。

なお、「noBlog SINSEIの自己中で行こう!」というブログの
http://sinsei.coolblog.jp/nnnoblog/index.php?UID=1247403533
の記事に関連情報が出ています。

エヴァンゲリオン新作映画の挿入歌にフォークの名曲

HPのエヴァンゲリオンコーナー
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/eva.htm
の中の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」のページ
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/eva-johaq.htm
に、「エヴァの郷愁全開!」として、新作映画第2弾「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」にフォークソングの名曲「今日の日はさようなら」、「翼をください」が使われたことなどに触れましたが、「翼をください」については、以前、このブログの
http://masahirokitamura.blog.drecom.jp/archive/60
記事で、歌詞にいくつかのヴァージョンがあることを書いたので、それとの関係で、ここでひとこと触れておきますと、今回の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」で流れた「翼をください」の歌詞は、以前の記事で紹介した3つのヴァージョンのうち、「71年レコードヴァージョン」と呼んでいたもので、レコード音源としては、もっとも古いオリジナルのものです。ちなみに、僕が、今年3月に、ライブハウスで弾き語りで出演させていただいたときに、自作曲中心のプログラムの最後に、「翼をください」をカバー演奏しましたが、そのときの歌詞は、以前のブログ記事で「ショートヴァージョン」と呼んでいたものです。
僕の弾き語りライブの情報は、HPの中の「弾き語りライブ情報」のページ
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/live.htm
に掲載しています。
「今日の日はさようなら」は、ライブで歌ったことはありませんが、練習では、時々、歌うことがあります。「鳥のように」という歌詞が、「翼をください」と同じですし、空を飛ぶというイメージも似ているなあと、常々思っていました。ですから、映画の中盤で「今日の日はさようなら」が流れだしたときに「翼をください」を連想していたのですが、まさか、クライマックスで本当に出てくるとは!
中盤の残酷シーンは、「今日の日はさようなら」がバックに流れると、残酷さが強調されますね。そして、この曲の中に潜んでいる哀愁や、せつなさを意外な形で引き出していたように思います。
この2曲を歌っている歌手は、サントラ盤CDのネットでの予約情報のページを見ると、林原めぐみさんのようですが、せつなさ、哀愁といった感じがよく出ていたと思います。
こういう音楽の使い方や、昭和レトロ風の風景画の効果的な使用が、今回の映画では秀逸だと感じました。

次回予告で、タイトルは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」となっていましたが、これが当初発表の「4部作」の第3部(序破急の急)+第4部(完結)ということなのでしょうか?公開時期は、いつごろになるのでしょう?来年?それとも、もっとかかる?

〔ヱヴァンゲリオン新劇場版公式サイト〕
http://www.evangelion.co.jp/

〔当ブログ内の関連記事〕
http://masahirokitamura.blog.drecom.jp/archive/55
http://masahirokitamura.blog.drecom.jp/archive/49
など

〔HP内の「エヴァンゲリオンの基礎知識」のページ〕
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/eva-g.htm


【09/07/09追記】
「今日の日はさようなら」などの挿入について、僕の感想とは反対の批判的な感想記事を見つけましたのでご紹介します。
「Kagechoの音楽生活」というブログの7月2日の記事
http://blog.goo.ne.jp/kagecho_001/e/2924a60684cacbb79e22280e49fce28e
に感想が出ています。僕の場合は、今回、この昭和レトロ風の音楽の使い方に、一番、感心したのですが、これは、従来の普通の「昭和レトロ」ではなく、ある意味では非常に斬新な、実に「エヴァ的」な手法だと感じたのですが、こういう斬新な手法には、反発や批判はつきものなので、「Kagecho」さんのような批判的な感想が出てくることも、僕は、十分に予想していました。
僕の場合は、2001年に出版した『エヴァンゲリオン解読』第1版(三一書房)の「あとがき」でも、「郷愁を感じさせる列車シーンは、筆者のお気に入りのシーン」とか、「無人の教室シーンなども、『郷愁』そのもの」などと書いて、「郷愁」を、「エヴァ」の重要ポイントだというような言い方をし、「こうした筆者の『エヴァ』の味わい方が、極めて『異端的』であるということを知っている」(p.188)とまで書いておきましたが、今回の新作「破」でも、「エヴァ」の"郷愁路線"が全開!という好意的な感想を抱きました。
パンフレットを見ても、メカニックデザインやCGのことばかり書かれているようですが、僕の場合は、全然違ったところに注目しています。
(09/07/09追記)

【09/07/12追記】
「エヴァ緊急ニュース」というブログの
http://evangeliwon.blog107.fc2.com/blog-entry-827.html
のページに、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の感想リンク集があります。
(09/07/12追記)

赤い鳥「翼をください」の3種類の歌詞

70年代前半に、フォークグループ「赤い鳥」によって歌われ、赤い鳥の解散後も多くのアーティストによってカバーされ、小中学校の教科書に掲載されるなどして、歌い継がれている名曲「翼をください」(山上路夫作詞、村井邦彦作曲)の歌詞に、いくつかのヴァージョンがあることにお気づきの方は少なくないと思います。ネット上でも、たびたび話題になっているようですが、かなり混乱した記述が多く見受けられるので、ここで、今、簡単に確認できることを整理しておきたいと思います。
まず、この曲が、赤い鳥によって71年に初めてレコードで発表されたときの歌詞は、
「今、私の?翼がほしい」
「この背中に?つけて下さい」
の後、「この大空に?翼はためかせて 行きたい」というサビの部分が歌われ、
続く2番の歌詞では、
1番の「今、私の?翼がほしい」に相当するメロディーがなく、
「子供のとき?夢に見ている」
と歌われた後、サビの部分にはいって、
「この大空に?翼はためかせて」がくり返されながらのフェードアウトになっています。
この音源は、例えば、今、僕の手元にあるCD「赤い鳥 ベストオブベスト」(2006年、ソニーミュージック)に収録されていますが、
「goo音楽」のサイトの
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND482/index.html
に掲載されている歌詞は、フェードアウトを、完全な終結に直す処理を行ってはいるものの、基本的には、71年のレコードヴァージョンと同じと言ってよいと思います。
また、今、僕の手元にある楽譜集のうち、79年に日本ユースホステル協会が発行した「新しい時代の若人の歌」3版(初版は71年)でも、サビの部分のリフレインがないものの、やはり、基本的には、71年レコードヴァージョンと同じです。
それに対して、これまでに僕が見た赤い鳥による唯一の映像(テレビ用)では、
1番の部分で、
「この背中に?つけて下さい」
が削除されて短縮され、一方、2番では、
「子供のとき?夢に見ている」
が削除され、これにかわって
「今、富とか名誉ならばいらないけど翼がほしい」
というレコードにはない歌詞に置き換わっています。
このヴァージョンは、サウンド面でも言えることですが、非常にアクティブな感じですが、このヴァージョンの楽譜は、これまでに出版されているものを見たことがありません。この映像の情報をお捜しの方は、google
http://www.google.co.jp/
で、「赤い鳥 翼をください」というキーワードで検索してみてください。今なら2分40秒の映像の情報がみつかると思います。このヴァージョンは、「この背中に?つけて下さい」の部分がカットされて短くなっているのが特徴で、今のところ、映像(テレビ用)でしか見たことがない短いヴァージョンなので、ショートヴァージョンとでも呼びましょうか。
そして、3番目のヴァージョンですが、これは、1番は、71年レコードヴァージョンと同じで、
2番で、1番の「今、私の?翼がほしい」に相当する部分に、
さきほどの「今、富とか?翼がほしい」がはいって、
「子供のとき?夢に見ている」は、71年レコードヴァージョンと同じように歌われるもので、最も長いヴァージョンなので、ロングヴァージョンとでも呼びましょうか。そして、今、僕の手元にある楽譜集のうち、78年に協楽社が発行した「フォークソング全集」は、曲名の表記が「翼を下さい」になっており、一方、ラストのフェードアウトの指示が71年レコードヴァージョンに準拠しているものの、中身は、この、ロングヴァージョンになっています。また、これまでに僕が見た映像の中では、赤い鳥の解散後に、赤い鳥のメンバーのうちの後藤夫妻によって結成されたユニットの紙ふうせんによるテレビ映像と、同じく、元赤い鳥メンバーの山本夫妻と大川茂のハイファイセットのテレビ映像(92年?)が、このロングヴァージョンになっていました。ちなみに、同じ、元赤い鳥メンバーの山本潤子がソロ歌手として歌っている映像では、71年レコードヴァージョンになっていたと思います。
こんなわけで、少なくとも3つのヴァージョンがあることがわかりますが、出版された楽譜が見あたらないショートヴァージョンを除いた残り2種類は、どちらも、広く知られていると思います。そして、この2種類、すなわち71年レコードヴァージョンとロングヴァージョンの最大の違いは、「今、富とか?」の歌詞がはいっているかどうかということです。
もし、ロングヴァージョンの方が古いとなれば、レコーディングのときに、何らかの理由でこの部分をカットしたということになりますが、その歌詞が、最も古いレコードの音源にないのですから、問題の部分は、レコーディング後に追加作詞されてライブで披露されたという可能性が考えられます。しかし、録音はされていなくても、問題の部分の歌詞は、当初から作られていた可能性も否定はできませんね。その場合、レコーディングのときに削除された理由は、憶測は別として、はっきりとはわかりません。赤い鳥の分裂によって生まれた2つのグループの双方が、テレビでロングヴァージョンを歌っていることを考えると、赤い鳥の時代に、すでに、このロングヴァージョンが完成していたのは間違いないでしょう。そもそも、この曲は、レコード発売の前年の70年に、ヤマハ音楽振興会が主催する合歓ポピュラーフェスティバル'70で披露され、歌手としての赤い鳥は、この曲で、新人奨励賞を受賞しているので、このときの歌詞がロングヴァージョンであった可能性も考えられますが、僕には、今のところ、はっきりしたことはわかりません。
合歓ポピュラーフェスティバル'70の受賞結果一覧は、ヤマハ音楽振興会のサイトの
http://www.yamaha-mf.or.jp/history/e-history/nemu_pf/nemu_pf2.html
のページに掲載されています。
このときの歌詞がロングヴァージョンであったのなら、71年レコードヴァージョンとともにロングヴァージョンの楽譜が広く流通しているのも自然なことかもしれませんが、真相はどうなのでしょう? 続きを読む
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