アニメ「エヴァンゲリオン」の新劇場版シリーズ4部作が、3月8日の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」公開でついに完結し、改めて、過去の「新劇場版」シリーズの3作品を見返してみると、これまで軽く見流していた部分に、大きな伏線があったことに気づき、一瞬たりとも油断してはいけないアニメだなあと、感心してしまいます。

「新劇場版」シリーズに対して、元のシリーズの「新世紀エヴァンゲリオン」のほうは、昔、何度もビデオ見て、特に、完結編の映画「THE END OF EVANGELION(Air/まごころを、君に)」は、最近の再上映も含めて、映画館だけでも14回見ているので、一応、ほぼ、憶えているつもりですが、「新劇場版」シリーズに関しては、見返して、「ああ、このシーンにこんな意図があったんだなあ」と、これまで軽く見流してしまっていたシーンの意味に、ようやく気づきました。「新劇場版」シリーズを先に見たという人の場合には、元になった「新世紀エヴァンゲリオン」も、じっくり味わってみるとよいと思います。

「エヴァンゲリオン」TVシリーズ&映画を見る順番ですが、
まずは、「新世紀エヴァンゲリオン」
①テレビシリーズ全26話
②「EVANGELION:DEATH((TRUE)2)」
③「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」
次に、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ(4部作)
①「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
②「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」
③「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
④「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
以上の順番が、オーソドックスな順番だと思います。

アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズには、1995年のテレビ放送からスタートして1997年の映画「THE END OF EVANGELION」で完結した「新世紀エヴァンゲリオン」と、2007年の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」からスタートして2021年の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で完結した4部作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの二つのシリーズがあり、「新劇場版」には、「新世紀エヴァンゲリオン」と同じキャラクターが登場しますが、「新世紀エヴァンゲリオン」とは別の世界、別の可能性が描かれているので、二つのシリーズの物語をごちゃまぜにしないように注意しないといけません。むしろ、「新劇場版」は、登場人物の「新世紀エヴァンゲリオン」のときとは違った運命を見て感動できるというところに大きな大きなポイントがあるように思います。

まだ、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開からようやく1週間という時期なので、ネタバレになってしまうような記述はできるだけ避けるようにしないといけませんが、「新世紀エヴァンゲリオン」との違いがポイントということについて、ひとつだけ書かせていただきます。

アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の解釈本、「エヴァンゲリオン解読」(北村正裕著、2001年、三一書房)と、その文庫版「完本 エヴァンゲリオン解読」(2010年、静山社文庫)に、「新世紀エヴァンゲリオン」でのひとりの登場人物の運命について、「これを、残酷と言わずして、何と言おうか。第25話の惨殺シーンに劣らぬおぞましさである。『エヴァ』や、作者に対する反感を表明する人達の、その反感の根拠が、もし、こういう残酷さにあるのだというのであれば、その気持ちはわかる、と言わざるを得ないかもしれない」(文庫版P.129)と書きましたが、「新劇場版」シリーズでは、この人物が、「新世紀エヴァンゲリオン」での残酷な運命とはまったく違った運命をたどって、素朴な幸福をつかんでいたので、感無量でした。

「新劇場版」シリーズの過去3作を再鑑賞して、「ああ、ここのところ、こういう意味だったのか……」と、重要な伏線だったことに気づいた部分、いくつか挙げておきます(完結編のネタバレにならないように、その「意味」は伏せて)。
アスカに関することが多いですが、「新世紀エヴァンゲリオン」でのアスカは、幼いときに実母を失くし、継母がいることなどが示されていて、回想シーンには、幼少時のアスカが持っていた人形が登場しますが、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」では、アスカの親に関する情報は一切なく、人形は、幼少時のものとしてではなく、中学生のアスカの持ち物として登場していました。このことに大きな意味があったのだということに、「:破」の段階では気付けませんでした。また、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のラストのアスカの台詞に、違和感は感じていましたが、完結編で明かされる式波アスカの秘密、見抜けませんでした。「新世紀エヴァンゲリオン」での惣流アスカから式波アスカへと苗字も替わっていたアスカですが、ここまで深い意味があるとは予想していませんでした。また、「:破」の3号機の事件の後、アスカについてリツコがマヤと話している台詞の中に「貴重なサンプル」という言葉があるのも、今にして思えば伏線だったのですね。
もう一点だけ、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の終盤、使徒(零号機を綾波レイごと捕食してしまう使徒)の襲来時の避難所の場面で、鈴原トウジが洞木ヒカリを抱きかかえているような姿勢で護っている1秒程度の短いジーン、これまで、不覚にも気づけていませんでした。「新世紀エヴァンゲリオン」では、ヒカリがトウジに想いを寄せていて、トウジもそれに気づきながら距離が縮まらなかったのに対して、「新劇場版」では、「新世紀エヴァンゲリオン」のときのような特別なやりとりがなかった二人ですが、避難所の場面に、こんな一瞬があったのですね。完結編を見てから見返すと、新たな感動があります。

それにしても、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の第3村……第3新東京市の跡地の「第3村」の風景には感動して浸ってしまいました。診療所になった建物、止まったままの電車、雑草の生えた線路……。

3月22日には、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の庵野秀明総監督の制作現場の記録「庵野秀明スペシャル」が放送されるということです。

〔NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」、「庵野秀明スペシャル」情報ページ〕
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=28375

〔HP内の「エヴァンゲリオン基礎知識」のページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/eva-g.htm

〔HP内の「エヴァンゲリオン解読」出版情報ページ〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/eva-kaidoku.htm

〔当ブログ内の「新劇場版」完結編公開関連情報の記事〕
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52475630.html

〔当ブログ内の「エヴァンゲリオン解読」文庫版重版情報記事〕
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52375383.html

〔関連ツイート〕
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1368858173801590784


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2021年3月8日、池袋、グランドシネマサンシャイン

【21.3.18追記】
映画公開から10日となる3月18日より、ホームページの「シン・エヴァンゲリオン劇場版感想雑記」のページ
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/eva-sin.htm
に、感想記事を掲載していきます。
(21.3.18追記)

【2021.4.9追記】
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」公開劇場は、TOHO THEATERのページ
https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/shin-evangelion.html
に載っています。
公開から1カ月で4回見に行ってしまいました。近々、5回目、見に行く予定です。
(21.4.9追記)

〔関連ツイート}
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1376069785792913412

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【21. 4.24追記】11日に各館に中継された舞台挨拶で、家族客も多い新海作品等と違ってロボットアニメで興行収入100億を目指せるのは大きいと話す庵野秀明総監督に、「今日も、ボッチで参戦されている方が多いと思います」と、緒方恵美さん。……はい。
公式ツイッターの発表では、すでに500万人以上の人が見たという「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。1月の金曜ロードショーでの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」3作の放送で初めて「エヴァ」を知ったという人も多いのかもしれません。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」3作は、現在、amazonプライムビデオで見放題になっているので、それを見たという人も多いのかもしれませんね。
新劇場版4部作の映画だけを先に見て、「新世紀エヴァンゲリオン」は、後でゆっくり、という見方もあると思います。「新世紀エヴァンゲリオン」もご覧になった方には、解釈本「エヴァンゲリオン解読」の文庫版「完本エヴァンゲリオン解読」(北村正裕著、静山社文庫)もおすすめします。

〔関連ツイート}
https://twitter.com/masahirokitamra/status/1385509451445137409

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【22. 1. 5追記】
アニメ『エヴァンゲリオン』『魔法少女まどか☆マギカ』と小説『かがみの孤城』について論じる作品論『夢の中の第3村:「エヴァンゲリオン」「まどかマギカ」と「かがみの孤城」の芸術論』(北村正裕著、Amazon Kindle版電子書籍、2022年1月)を電子出版しました。
三作品のつながりを、現実の相対化という観点にも注目して、『エヴァ』について従来言われてきた現実回帰という読み方と真逆な読み方を提示するなどし、『かがみの孤城』については、連載版から単行本への大改作の詳細な検証も行い、連載版になかった衝撃のラストの誕生の背景、歴史的意義を探り、必要なあらすじ解説もしながらそのそれぞれの作品の特徴について論じています。
第二章~第四章は、小説『かがみの孤城』のネタバレになってしまうため、これらの章は、小説『かがみの孤城』を読み終えてからお読みください。『かがみの孤城』は、初読時のラストでの驚きと感動の体験がかけがえのないものになるはずなので、先にネタバレ情報に触れないようにお注意ください。
『夢の中の第3村:「エヴァンゲリオン」「まどかマギカ」と「かがみの孤城」の芸術論』(北村正裕著、Amazon Kindle版電子書籍、2022年1月)商品ページ(Amazon)のURLは
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PMMW9HS/
です。
また、nite(https://note.com/ )に、「『かがみの孤城』連載版から十七年版への大改作を検証」というエッセイを掲載しました。こちらは、『かがみの孤城』の決定的なネタバレを避けながら大改作を概観するエッセイです。
https://note.com/kitamuramasahiro/n/nf18cdc4141da
さらに、「『まどマギ』『かがみの孤城』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を比較(考察本紹介)というエッセイも掲載し、こちらは、 『夢の中の第3村』(北村正裕著、Amazon Kindle版電子書籍)の序章と第一章の一部の内容を紹介する内容です。
https://note.com/kitamuramasahiro/n/n6b8efc75c4f6
(22. 1. 5追記)

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【22年11月12日追記】
22年1月に電子出版した『夢の中の第3村』の内容を再構成したものが、『「かがみの孤城」奇跡のラストの誕生』の書名で、12月に彩流社から出版されることになりました。
小説『かがみの孤城』(辻村深月作)を読み終えた方で、その奇跡のようなラストの誕生の背景について興味持たれた方には、是非、お読みいただきたいと思います。
『エヴァンゲリオン』について論じている第4章と序章以外は、『かがみの孤城』のネタバレになってしまうため、第1~第3章は、小説『かがみの孤城』を読み終えるか、または、22年12月公開予定のアニメ映画『かがみの孤城』を見てから読んでいただけるようお願いします。

彩流社の情報ページ
https://www.sairyusha.co.jp/book/b10025211.html

情報記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52493986.html

(22年11月12日追記)

【2025年8月21日追記】
北村正裕ホームページ(音楽情報用と執筆情報用)の統合にともない、
「エヴァンゲリオンの基礎知識」のページのURLが変更になりました。
新しいURLは
http://masahirokitamura.art.coocan.jp/eva-g.htm
です。
(25. 8.21追記)