昨年(2024年)9月に東京芸術劇場コンサートホールで上演された井上道義指揮による全国共同制作オペラ「ラ・ボエーム」(演出=森山開次、管弦楽=読売日本交響楽団)の舞台映像が、昨年12月22日にNHK-Eテレで放送されましたが、2月9日と10日に、それぞれ、NHK-BSP4KとNHK-BSでも放送されるようです。
昨年9月の東京芸術劇場コンサートホールでの「ラ・ボエーム」の上演は、21日と23日の2回行われていて、自分が見たのは21日のほうで、当日、「本日の公演では【NHK BSP4K】の収録が入っております」という掲示が出ていましたが、実際に放送されているのは23日のほうの映像のようです。
ここでは、実際に見た21日の公演と放送されている23日の舞台映像の比較、舞台映像のおずずめポイントなどを記しておきたいと思います。
まず、今回の井上道義の指揮ですが、ゆったりとしたテンポでじっくりと聴かせてきれるところが一番のおすすめポイントです。21日の公演では、例えば、ロドルフォのアリア「冷たい手を」の途中、「貧しくても心は豊か」と歌うあたりからさらにテンポを落としてじっくりと聴かせてくれる演奏が感動的でした。それに比べると、23日の映像の演奏では、アリアの前からすでにかなりゆったりとしたテンポになっていて、途中でテンポを落とすという感じはなっていないため、21日の演奏のほうがめりはりがあってより好ましく思えるのですが、それでも、23日の演奏も、ゆったりとしたテンポでじっくり聴かせてくれる演奏という特徴は保たれていると思います。
次に、ロドルフォ役の工藤和真の安定した歌唱に注目です。声量が大きすぎず小さすぎず、端正な声で、安心して聴けるロドルフォだったと思います。
そして、ミミ役のルザン・マンタシャンですが、この人の調子は、21日よりも、放送されている23日の公演のほうが良いように思います。21日の公演でもおおむね無難に歌ってはいましたが、21日の公演では、第一幕幕切れの最後の高音が、やや「叫び声」的になってしまっていたのに対して、放送されている23日の映像では、とても美しく響いています。もしかすると、23日の映像のほうが放送されているのは、ルザン・マンタシャンの声の調子によるものなのかもしれない、と、思ってしまうほど、23日の声の調子はよいと思います。ですから、ここのところも、放送のおすすめポイントです。
21日の演奏と23日の映像で一番大きな違いだと思うのは、21日の公演では、第一幕ラストの二重唱の冒頭にハープの音のような特別なイントロが追加されているように聞こえたのに対して、23日の映像では、そのような「幻のイントロ」などなかったというところです。これについては、21日の映像が放送されていないため、確かめようがありません。21日の公演で聞こえたように思うあの「幻のイントロ」は何だったのでしょう?
最後に、今回の公演は、コンサートホールでの公演だったため、幕を降ろしての舞台転換ができず、制約のある演出にならざるを得ないわけですが、休憩をはさまずに上演された第一幕と第二幕の間の舞台転換の間の出演者たちによるパントマイムなども、この公演だけの注目ポイントだと思います。このホールは、オペラを上演するには残響が大きすぎるのではないかという問題点もあるように思いますが、その点は、映像では、あまり気にならないかもしれません。
昨年12月のEテレでの放送を見逃したという方には、BSでの放送をおすすめします。
〔NHKプレミアムシアターホームページ〕
https://www.nhk.jp/p/premium/ts/MRQZZMYKMW/





〔関連X投稿〕
https://x.com/masahirokitamra/status/1885881718881796222
〔関連ブログ記事】
オペラ『ラ・ボエーム』原作の中のミミとロドルフ
https://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52464434.html
〔北村正裕ホームページ紹介サイト〕
https://masahirokitamura33.wixsite.com/masahirokitamura
昨年9月の東京芸術劇場コンサートホールでの「ラ・ボエーム」の上演は、21日と23日の2回行われていて、自分が見たのは21日のほうで、当日、「本日の公演では【NHK BSP4K】の収録が入っております」という掲示が出ていましたが、実際に放送されているのは23日のほうの映像のようです。
ここでは、実際に見た21日の公演と放送されている23日の舞台映像の比較、舞台映像のおずずめポイントなどを記しておきたいと思います。
まず、今回の井上道義の指揮ですが、ゆったりとしたテンポでじっくりと聴かせてきれるところが一番のおすすめポイントです。21日の公演では、例えば、ロドルフォのアリア「冷たい手を」の途中、「貧しくても心は豊か」と歌うあたりからさらにテンポを落としてじっくりと聴かせてくれる演奏が感動的でした。それに比べると、23日の映像の演奏では、アリアの前からすでにかなりゆったりとしたテンポになっていて、途中でテンポを落とすという感じはなっていないため、21日の演奏のほうがめりはりがあってより好ましく思えるのですが、それでも、23日の演奏も、ゆったりとしたテンポでじっくり聴かせてくれる演奏という特徴は保たれていると思います。
次に、ロドルフォ役の工藤和真の安定した歌唱に注目です。声量が大きすぎず小さすぎず、端正な声で、安心して聴けるロドルフォだったと思います。
そして、ミミ役のルザン・マンタシャンですが、この人の調子は、21日よりも、放送されている23日の公演のほうが良いように思います。21日の公演でもおおむね無難に歌ってはいましたが、21日の公演では、第一幕幕切れの最後の高音が、やや「叫び声」的になってしまっていたのに対して、放送されている23日の映像では、とても美しく響いています。もしかすると、23日の映像のほうが放送されているのは、ルザン・マンタシャンの声の調子によるものなのかもしれない、と、思ってしまうほど、23日の声の調子はよいと思います。ですから、ここのところも、放送のおすすめポイントです。
21日の演奏と23日の映像で一番大きな違いだと思うのは、21日の公演では、第一幕ラストの二重唱の冒頭にハープの音のような特別なイントロが追加されているように聞こえたのに対して、23日の映像では、そのような「幻のイントロ」などなかったというところです。これについては、21日の映像が放送されていないため、確かめようがありません。21日の公演で聞こえたように思うあの「幻のイントロ」は何だったのでしょう?
最後に、今回の公演は、コンサートホールでの公演だったため、幕を降ろしての舞台転換ができず、制約のある演出にならざるを得ないわけですが、休憩をはさまずに上演された第一幕と第二幕の間の舞台転換の間の出演者たちによるパントマイムなども、この公演だけの注目ポイントだと思います。このホールは、オペラを上演するには残響が大きすぎるのではないかという問題点もあるように思いますが、その点は、映像では、あまり気にならないかもしれません。
昨年12月のEテレでの放送を見逃したという方には、BSでの放送をおすすめします。
〔NHKプレミアムシアターホームページ〕
https://www.nhk.jp/p/premium/ts/MRQZZMYKMW/





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〔関連ブログ記事】
オペラ『ラ・ボエーム』原作の中のミミとロドルフ
https://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/52464434.html
〔北村正裕ホームページ紹介サイト〕
https://masahirokitamura33.wixsite.com/masahirokitamura