6月21日(土)、みなとみらいホールで、沼尻竜典指揮、神奈川フィルハーモニー管弦楽団によるセミステージ形式の「ラインの黄金」観劇。
今年は、4月に藤原歌劇団のセミステージ形式での「ロメオとジュリエット」(グノー作曲)を観劇しているので、コンサート形式やセミステージ形式でのオペラ上演はスルーしてしまうことが多い自分としては、短期間で2つのセミステージ形式公演の観劇というのは珍しいことですが、4月の「ロメオとジュリエット」の場合は、セミステージ形式であっても、そもそも上演機会が少ないオペラであり、今回の「ラインの黄金」の場合は、「ロメオとジュリエット」ほど上演機会が少ないというわけではないものの、自分の場合、2015年10月に新国立劇場での公演(ゲッツ・フリードリヒ演出、飯守泰次郎指揮)を見て以来、しばらく観劇機会がない状態が続いていたという事情もあります。
さて、今回の公演、演奏は堅実で、充実感があるものでしたが、演技のほうは、「セミステージ形式」といっても、ほとんど「コンサート形式」のような感じで、最小限の演技にとどまり、衣装もコンサートの衣装だし、舞台装置も一切なしという簡素なもので、視覚的に面白いというものではありませんでした。アルベリッヒ役の志村文彦さんに至っては、譜面台を置いて、譜面を見ながらの歌唱になっていたので、ラインの黄金の強奪などの重要シーンでも、演技は半分という感じになってしまっていたと思います。
そんな中、通常の公演では味わえない効果が味わえたのは、ラストシーン。3人のラインの娘が「偽りと卑怯が上では支配している」と歌うシーン。これは、ラインの娘たちが、ライン河で歌っている歌声で、舞台上のヴォータンとローゲが、山頂で、はるか下からかすかに聞こえてくる声を聴くというものなので、通常の公演では、舞台裏で歌われ、あまり強くは聞こえてこない歌声ですが、今回の公演では、オーケストラ後方部分のコンサート時には客席になるスペースの左に3人が登場して歌い、ヴォータンたちよりもむしろ高い位置から、客席にも非常によく響く歌声を披露してくれました。そして、コンサート時には客席になるオーケストラ後方の中央部分に字幕表示版が設置されていたため、「ラインの黄金」のみならず、「ニーベルングの指環」4部作の世界全体を象徴しているようなこのラストの歌詞が、ラインの娘たちの美しい歌声とともに強く印象づけられるという効果をもたらしているように感じました。その3人のラインの娘たちのうち、特に、「ラインの黄金」の最初の一声を発することになるヴォークリンデ役の九嶋香奈枝さんの美声は、冒頭から今回の公演の大きな支えになっていたように感じました。

〔北村正裕HPの中のバレエ・オペラコーナー〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/swanlake.htm
〔北村正裕ホームページ紹介サイト〕
https://masahirokitamura33.wixsite.com/masahirokitamura
〔北村正裕X〕
https://x.com/masahirokitamra
【2025年8月21日追記】
北村正裕ホームページ(音楽情報用と執筆情報用)の統合にともない、
バレエ・オペラコーナーのURLが変更になりました。
新しいURLは
http://masahirokitamura.art.coocan.jp/swanlake.htm
です。
(25. 8.21追記)
今年は、4月に藤原歌劇団のセミステージ形式での「ロメオとジュリエット」(グノー作曲)を観劇しているので、コンサート形式やセミステージ形式でのオペラ上演はスルーしてしまうことが多い自分としては、短期間で2つのセミステージ形式公演の観劇というのは珍しいことですが、4月の「ロメオとジュリエット」の場合は、セミステージ形式であっても、そもそも上演機会が少ないオペラであり、今回の「ラインの黄金」の場合は、「ロメオとジュリエット」ほど上演機会が少ないというわけではないものの、自分の場合、2015年10月に新国立劇場での公演(ゲッツ・フリードリヒ演出、飯守泰次郎指揮)を見て以来、しばらく観劇機会がない状態が続いていたという事情もあります。
さて、今回の公演、演奏は堅実で、充実感があるものでしたが、演技のほうは、「セミステージ形式」といっても、ほとんど「コンサート形式」のような感じで、最小限の演技にとどまり、衣装もコンサートの衣装だし、舞台装置も一切なしという簡素なもので、視覚的に面白いというものではありませんでした。アルベリッヒ役の志村文彦さんに至っては、譜面台を置いて、譜面を見ながらの歌唱になっていたので、ラインの黄金の強奪などの重要シーンでも、演技は半分という感じになってしまっていたと思います。
そんな中、通常の公演では味わえない効果が味わえたのは、ラストシーン。3人のラインの娘が「偽りと卑怯が上では支配している」と歌うシーン。これは、ラインの娘たちが、ライン河で歌っている歌声で、舞台上のヴォータンとローゲが、山頂で、はるか下からかすかに聞こえてくる声を聴くというものなので、通常の公演では、舞台裏で歌われ、あまり強くは聞こえてこない歌声ですが、今回の公演では、オーケストラ後方部分のコンサート時には客席になるスペースの左に3人が登場して歌い、ヴォータンたちよりもむしろ高い位置から、客席にも非常によく響く歌声を披露してくれました。そして、コンサート時には客席になるオーケストラ後方の中央部分に字幕表示版が設置されていたため、「ラインの黄金」のみならず、「ニーベルングの指環」4部作の世界全体を象徴しているようなこのラストの歌詞が、ラインの娘たちの美しい歌声とともに強く印象づけられるという効果をもたらしているように感じました。その3人のラインの娘たちのうち、特に、「ラインの黄金」の最初の一声を発することになるヴォークリンデ役の九嶋香奈枝さんの美声は、冒頭から今回の公演の大きな支えになっていたように感じました。

〔北村正裕HPの中のバレエ・オペラコーナー〕
http://masahirokitamura.my.coocan.jp/swanlake.htm
〔北村正裕ホームページ紹介サイト〕
https://masahirokitamura33.wixsite.com/masahirokitamura
〔北村正裕X〕
https://x.com/masahirokitamra
【2025年8月21日追記】
北村正裕ホームページ(音楽情報用と執筆情報用)の統合にともない、
バレエ・オペラコーナーのURLが変更になりました。
新しいURLは
http://masahirokitamura.art.coocan.jp/swanlake.htm
です。
(25. 8.21追記)
