北村正裕BLOG

童話作家&シンガーソングライター、北村正裕のブログです。 北村正裕ホームページ(北村正裕アート空間) http://masahirokitamura.art.coocan.jp/ もよろしく。 X(旧ツイッター)アカウントは「@masahirokitamra」です。

くるみ割り人形

新国立劇場バレエ、タケット版新制作「くるみ割り人形」観劇

ウィル・タケット振付による新国立劇場新制作のバレエ「くるみ割り人形」、12月27日昼の公演を観劇しました。
この日の昼の公演では、主役のクララ/金平糖の精役に、今回が全幕作品主役デビューとなる東真帆が登場し、熱演を見せてくれました。

振付=ウィル・タケット
編曲=マーティン・イェーツ
指揮=マーティン・イェーツ
管弦楽=東京フィルハーモニー交響楽団
合唱=東京少年少女合唱隊
芸術監督=吉田都

出演=東真帆(クララ/金平糖の精)、奥村康祐(ドロッセルマイヤーの助手/くるみ割りの王子)、福岡雄大(ドロッセルマイヤー)/他

序曲に続き第1幕が始まると、第1曲のクリスマスツリーの曲の途中で合唱が曲のリズムに合わせるようにクリスマスキャロルを歌いだしたので驚きました。特に「くるみ割り人形」第一幕の場合、完璧な構成とも言えそうなチャイコフスキーの曲を味わうのが楽しみなので、ここのクリスマスキャロルは少々残念。また、第一幕で自分には目ざわりと感じたのはドロッセルマイヤーの助手の存在。クララとドロッセルマイヤーの助手が不意に互いの背中をぶつける「出会い」のシーンで、他のダンサー全員の動きを止めて二人の「出会い」を強調していたり、さらに決定的なのは、くるみ割りの王子とドロッセルマイヤーの助手を一人二役にしたりしているところですが、くるみ割りの王子をドロッセルマイヤーの助手のイメージに重ねようとする演出は、自分には邪魔な演出と感じました。魔法の世界は、現実から飛翔して自由であって欲しかったと思いました。
一方、第一幕の演出で良かったと思うのは、ドロッセルマイヤーのマジックショー。そして、クリスマスツリーが大きくなっていくシーンでのツリーへの点灯も、ドロッセルマイヤーの魔法で灯がどドロッセルマイヤーからクララの手を経てクリスマスツリーに飛び移るように見せていて、こうした灯の使い方が巧みで楽しめました。
ねずみ達とくるみ割り人形たちとの戦いでは、ねずみの親分は、今回の演出では「ねずみの女王」。そして、この役、今回は、序盤で「ダンス教師」として登場して子どもたちの「行進曲」などを取り仕切っていたのと同じ根岸佑衣。序盤では、この役、楽しいはずの子どもたちのダンスに介入して「邪魔だなあ」と感じていたのですが、ねずみのシーンでは、そのイメージをまとったねずみの女王がクララにスリッパで叩かれて倒されるという演出になっていました。このとき、クララはスリッパを投げるのではなく、今回は、それを手に持ってねずみの女王を叩いて倒していました。
雪のシーンは、雪の結晶の模様をそのまま使った舞台美術が、ここまでの美術に比べてぱっとしないと感じましたが、振付は地味ながら堅実。派手にならず、控え目で、かつ、舞い降る雪を表すようなダンサーの手の動きなど細かいところをおろそかにしない振付でした。ここの児童合唱シーンは全曲を通して一番美しいところで、このシーンの合唱を味わうのが、「くるみ割り人形」鑑賞の大きなポイントです。今回、東京少年少女合唱隊は、オーケストラピット左端の高い部分で歌っていて、少人数ながら比較的よく響く合唱を披露してくれました。細かい手の動きを重視しているように見える振付はここだけでなく、雪のシーンにはいる前のクララの振りにもすでに現れていたと思うし、クララ/金平糖役の東真帆がそれらをきっちりと演じていたのが良かったと思います。

第2幕が始まると、ドロッセルマイヤーがスプーンでこぐティーカップの船に乗って、クララと王子がお菓子の国に到着し、そこには、巨大なキャンディーの棒やわたあめ、ゼリーなどが飾られています。シェフパティシエとお菓子の国のマイスター等に迎えられ、王子によるクララの活躍などのマイムでの語りがある第11曲も終わり、お菓子のキャラクターによるディヴェルティスマンが始まるタイミングで、チョコレートの踊り(スペインの踊り)は削除され、ここで、耳慣れない曲が演奏されます。先日(14日)、「バレエチャンネル」のサイトに掲載されたウィル・タケットのインタビュー記事によれば、この曲は「イギリスの踊り」で、「(指揮者の)マーティン・イェーツが、チャイコフスキーが新たな踊りのために作っていた鉛筆書きのスケッチを見つけ、オーケストラ用に編曲してくれたのです」ということで、途中で序曲のメロディーが挿入されていました。そして、この曲でパティシエ達が踊るのですが、なぜ、原曲のチョコレートではだめなのか、自分にはわかりませんでした。
ここから、ようやくお菓子のキャラクター達の踊りが始まり、原曲のコーヒーの踊り(アラビアの踊り)の曲で、わたあめの踊り、紅茶の踊り(中国の踊り)の曲で、ゼリーの踊りが演じられます。上記のインタビュー記事には、「あの「中国の踊り」をそのまま踊ることは失礼だと思うし、私は中東でも仕事をしてきましたが、「アラビアの踊り」でダンサーたちがビキニスタイルの衣裳を着ているなんて絶対に通用しません」と、ありましたが、それは確かにそうだと思います。なので、今回の「わたあめ」「ゼリー」は有意義な試みだと思いました。「わたあめ」では、アラビア風の音楽に乗せて、ダンサーはわたあめに包まれたような衣装で踊り、「ゼリー」では、ゼリーカップを身にまとったダンサーも登場し、軽快さを持たせたがらも従来の「中国の踊り」のイメージは払拭されていたと感じました。この後、トレパークよりも先に葦笛の音楽が演奏され、これは「キャンディー」の踊りになっていました。振付的には、ここは葦笛が棒キャンディーに変わるだけで、葦笛がキャンディーの踊りになるのは珍しくないと思います。そして、この後、トレパークの音楽でポップコーンの踊り。そして、「花のワルツ」の音楽が「フォンダンローズ」。
「花のワルツ」の後、原曲では「花のワルツ」の前に置かれる「ジゴーニュおばさんと道化師たち」の音楽の演奏が始まりましたが、「ジゴーニュおばさん」も「道化師」も登場せず、この音楽をお菓子の国のキャラクターたちの踊りのフィナーレとして使っていて、これにより、グランパドゥドゥの後に置かれるはずの本来のフィナーレの出番を奪ってしまっていました。もともと、削除されることが多い「ジゴーニュおばさんと道化師たち」ですが、演奏するなら本来の使い方をして欲しかったと思います。
公演プログラムには、「『くるみ割り人形』のオリジナルの楽譜を見ると、チャイコフスキー自身が書き込んだ動きに関する多くの指示が記されており、私はこれらの劇作上の指針を数多く活用し、可能な限り原作の意図に近い構造を保つよう努めました」というウィル・タケットの文章が載っていますが、実際には、この「ジゴーニュおばさん」の曲の使い方など、残念ながら原曲の作曲意図に反する方向の改訂になってしまった部分の方が多いのではないかと思います。
この後の、金平糖の精となったクララと王子によるグランパドゥドゥは正統派。東真帆と奥村康祐のコンビがきっちりと踊ってくれました。今回のようにクララと金平糖の精を同じダンサーが演じるバージョンでは、この役を演じるダンサーは無邪気な子どもと気品ある女王の両方を演じなければならず重責ということになりますが、今回は、その両方を全幕作品初主演の東真帆が見事に演じていました。
グランパドゥドゥの後、アポテオーズの音楽に移る前に、魔法の時間の終わりを示すかのように鐘が鳴って第二幕冒頭の音楽が再び演奏されました。この音楽は、原曲の「フィナーレのワルツとアポテオーズ」にも組み込まれていますが、今回は、それより長く演奏され、王子はクララを連れて、再びティーカップの船に乗ってお菓子の国をあとにします。そして、場面が変わり、アポテオーズは翌朝のシーン。第一幕同様のクララの家。ドロッセルマイヤーが眠っているクララをクリスマスツリーの前に横たわらせ、舞台右手のドールハウスの中のくるみ割り人形(前夜フリッツが壊して応急処置が施されていたもの)をドロッセルマイヤーの助手が修理。目覚めたクララが直っているくるみ割り人形を見せられ、助手に感謝のハグ、というエンディングでした。

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全日程・主要キャスト(新国立劇場サイト)
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet-dance/news/detail/77_030246.html

ウィル・タケットインラビュー(バレエチャンネル、12月14日の記事)
https://balletchannel.jp/49422

東真帆インタビュー(バレエチャンネル、12月17日の記事)
https://balletchannel.jp/49440


北村正裕ホームページ内の「『くるみ割り人形』の基礎知識」のページ
https://masahirokitamura.art.coocan.jp/nutcracker-g.htm

北村正裕X
https://x.com/masahirokitamra

「まどかマギカ 叛逆の物語」と「くるみ割り人形」

歴史的な傑作と言ってもよさそうなアニメ映画「劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編〕叛逆の物語」(新房昭之総監督、虚淵玄脚本)。常識的な日常に戻らないストーリー、そして、「異空間設計」として参加しているアニメ制作ユニット、劇団イヌカレーによる幻想的な映像が素晴らしいと思います。
先日、14日に劇場で配布されたという「魔女図鑑」は入手できなかったのですが、ネット上に出ている情報によれば、パンフレットに載っていない解説も結構載っていたようですね。パンフレットでは「ほむら魔女」としか書かれていなかったほむらの魔女には、「ホムリリー」という名がついていて、「くるみ割りの魔女」という解説が載っているそうですね。
そう言えば、終盤でおもちゃのような兵隊(くるみ割りの魔女の手下でロッテというらしい)の行進の場面は、バレエ「くるみ割り人形」イワーノフ版第1幕でのおもちゃの兵隊とねずみたちとの戦いのシーンでのおもちゃの兵隊の行進を連想させます。
このバレエの原作にあたるホフマンの「くるみ割り人形」は、主人公のマリー(イワーノフ版のバレエでのクララに相当)が、いわゆる「現実」世界を捨てて、「人形の国」へ行ってしまい、「マリーはいまでも、あのきらめくクリスマスの森や、すきとおったマジパンのお城のある国で、王妃さまとしてくらしているということです」(山本定祐訳)という結末を持つ物語で、「夢」より「現実」を重んじるいわゆる大人の発想に対する叛逆とも言える物語なので、今回の「叛逆の物語」の映像作りのヒントにするにはふさわしい作品だと言えるかもしれません。

ところが、現在、多くのバレエ団では、このホフマンの原作意図を無視して、あたかも「すべては夢でした」というように思わせる夢落ち演出で上演していて、それは、とても残念なことだと思います。
イワノフ版のプティパによる台本では、ラストシーンについての具体的な記述がないので、ここは、演出家の腕の見せ所だと思うのですが。ワイノーネンによる夢落ち演出以来、それが主流になってしまったのは残念なことだと思います。
そんな中、英国ロイヤルバレエのピーター・ライト版の1985年の舞台の映像を見ると、これは、比較的、イワノフの原典版に近く、さらに、原作の要素を取り込もうという工夫がされているようなので、この映像のDVDは、オススメです。
このDVDについては、以前、2006年2月の記事
http://masahirokitamura.dreamlog.jp/archives/51606136.html
に書いてあります。
なお、英国ロイヤルバレエのピーター・ライト版の「くるみ割り人形」の映像は、複数あって、ほかの映像もそれなりに価値あるものですが、1985年収録のものとは大きい違いがあるので、ご注意を。
また、ホームページの中に「くるみ割り人形の基礎知識」というページ
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/nutcracker-g.htm
がありますので、ご参照ください。
ところで、ホフマンの原作では主人公の名はマリーですが、そのマリーが両親からもらう人形の名がクララなのです。今回の映画「叛逆の物語」では、上記の「魔女図鑑」の情報によると、「偽街」の子供達の名が「クララドール」だそうですが、クララという名が原作では人形の名であったことも、制作者の方は意識されているのかもしないなあ、と思いました。
「叛逆の物語」の映像とバレエ「くるみ割り人形」との関係については、「魔女図鑑」配布の前から指摘されているファンの方が何人もいらっしゃったようですね。

「くるみ割り人形」は、ホフマンの原作も、そしてチャイコフスキーのバレエ音楽もとても好きで、しばしば公演見に行っていますが、自分の創作の中にも影響を与えているのを自覚しています。
例えば、今年1月に電子出版した童話『何もない遊園地』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00B6FTH6Q/
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/yuuenti-e.htm
は、1996年に執筆したものなのですが、これの第8話の中で木馬のミオが人間の少女の姿に変身するシーンを書いたときには、バレエ「くるみ割り人形」第1幕で、くるみ割り人形が王子の姿に変身するシーンを意識していました。


〔「くるみ割りの魔女」に関する情報があるネット上のページの例〕

流行の最南端
http://trend-of-southenmost.blog.so-net.ne.jp/2013-12-15-1

赤いふうせん
http://palloncinorosso.blog45.fc2.com/blog-entry-233.html

なんでも(ダリルの墓のブログ)
http://kuuki141414.blog46.fc2.com/blog-entry-149.html

遊佐さんブログ
http://ameblo.jp/yusayusa0211/entry-11729059349.html

まど☆マギブログ
http://matomagi.doorblog.jp/archives/34967391.html


〔北村正裕のツイッターの「まどかマギカ」関連ツイート〕
https://twitter.com/masahirokitamra/status/403109727086727168
など


【2014. 1. 5追記】
アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」では、「異空間設定」として参加しているアニメ制作ユニット、劇団イヌカレーが担当する魔女の結界シーンなどに独自の魔女文字(「まどか文字」とも言われているもの)が登場しますが、海外のファンによって解読された結果をまとめたという一覧表(魔女文字とローマ字との対照表)が、
http://wiki.puella-magi.net/Deciphering_the_runes#Table_of_runes
に載っています。
現在、多くの「まどかマギカ」ファンが、この対照表(魔女文字解読一覧表)を参照しているものと思われます。
(2014. 1. 5追記)

英国ロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」のDVD

かなり昔、レンタルビデオ店で借りて見て以来、しばらく見ていなかった英国ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」の舞台の映像(ピーター・ライト演出、1985年収録)が、ワーナーミュージック・ジャパンからDVDとして再発売されたので、早速、購入し、久々に、部分的に見ています。
このプロダクションのいいところは、イワーノフの原典版にかなり忠実であると思われることです。たとえば、現在、多くのバレエ団が、「コクリューシ王子」を削除して、くるみ割りの王子にコクリューシ王子の役を"兼任"させているのに対して、このプロダクションでは、兼任などさせず、コクリューシ王子という独立した役が存在しています。ちなみに、これを演じるのは、アンソニー・ダウエル、また、金平糖の精を演じるのは、レスリー・コリアです。現在、コクリューシ王子という役名をきちんとプログラムに載せているバレエ団は、日本では、東京シティ・バレエ団など、ごく少数ではないでしょうか?
もうひとつ、この1985年の映像では、冒頭で、ドロッセルマイヤーが、仕事部屋で、額にはいった彼の甥の写真を眺めながらくるみ割り人形を胸に抱き、人形の正体が、呪いによって変身させられてしまったドロッセルマイヤーの甥であることを示唆し、また、第2幕の幕切れで、元の姿に戻った彼の甥、つまり、くるみ割りの王子が、現実の彼の前に現れ、額の中に写真がくるみ割り人形に変わっている、という演出がとられて、呪いが解けたことを示しています。こうしたことは、プティパの原台本には書かれておらず、特に、観客に示さなければいけないわけではないでしょうが、この演出は、ホフマンの原作の設定そのものであり、原作に矛盾しない範囲で、原台本に補足を加えようとする場合には、当然、ひとつの選択肢になるものです。以前、この映像を見たときは、わざわざ、これを舞台で示さなくてもいいのではないか、と思いましたが、最近では、原作の設定に反して、第1幕のパーティーの場で、ドロッセルマイヤーの甥が本来の姿で登場するといった、致命的とも言える演出(たとえば、NBAバレエ団による「イワーノフ復元版」)が出現しており、そんなおかしな演出をやるくらいなら、ピーター・ライトのように、原作の設定に矛盾しないようにやってほしい、という思いを強く持ったので、1985年の映像のこの演出は、むしろ、この映像のおすすめポイントのひとつだと思えるようになりました。
唯一、残念なのは、「ジゴーニュおばさんと道化たち」が削除されていることですが、これを削除せずにやっているバレエ団は、東京シティ・バレエ団や、NBAバレエ団など、これまた、現在では、少数派になってしまっているようです。

この映像ソフトは、再発売なので、すでに色々なコメントが出ていると思いますが、例えば、「Side B-allet / Yuki's Web Page」というサイトの「バレエ映像カタログ」の
http://eucharis.main.jp/dvd/archives/200411112209.php
に、ゆうさんのコメントがあり、ここには、キャスト表も掲載されています。

なお、上記の東京シティ・バレエ団や、NBAバレエ団の「くるみ」については、HPのバレエ・オペラコーナー
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/swanlake.htm
に、観劇レポートを掲載してあります。

Kバレエカンパニーの「くるみ割り人形」(熊川哲也版)

先日(12月15日)、東京文化会館でのKバレエカンパニーの「くるみ割り人形」(熊川哲也版)の公演を見てきました。制作者たちの熱意が感じられる舞台であると感じる一方、疑問に感じる点も多々ありました。感想は、HPのバレエ・オペラコーナー
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/swanlake.htm
に掲載しました。

僕は、11月のオーチャードホールでの公演は見ていないのですが、
藤本真由さんのブログの
http://blog.eplus.co.jp/daisy/2005-11-17
や、
「放蕩主婦」さんの「勝手にチェック」というブログの
http://check-check.seesaa.net/article/9348709.html
などに、11月の公演の感想記事があります。
ただ、いずれにも、オーケストラについてのコメントはありません。
12月15日の公演のオーケストラについては、その存在感のある演奏について、僕は、HPで、「特筆に値する」と書きましたが、11月の公演ではどうだったのかはわかりません。また、12月15日の演奏についても、もちろん、聴く人によって、評価は様々でしょう。

NBAバレエ団の公演

3月13日に、所沢ミューズでのNBAバレエ団の安達哲治版「くるみ割り人形」の公演を見てきました(14:00開演)。
ホームページのバレエ&オペラのコーナー
http://homepage3.nifty.com/masahirokitamura/swanlake.htm
に、観劇レポートを掲載しました。演出については、そちらに詳しく書きましたが、牧阿佐美バレエ団のカーター版も、東京シティ・バレエ団の有馬五郎版も見られなくなってしまっている今、NBAバレエ団の「くるみ」は、東京近辺のバレエ・ファンにとって、貴重なプロダクションだと思いました。

このバレエ団の公演を見るのは、今回が初めてだったのですが、子役を含めて、ダンサーの質の高さも感じられ、このような優秀なバレエ団の存在を確認できたことが、僕にとっては、今回の、最大の収穫だったと思います。バレエ団のホームページを見ると、このバレエ団は、今回の安達版「くるみ」とは別に、イワーノフ原典版の復元上演をやったこともあるとのことなので、再演されることがあったら、是非、見てみたいと思います。また、それ以外でも、今後に期待が持てそうなバレエ団だと思いました。
今年1月には、ヴィハレフによる復元版「コッペリア」の上演をやったようですが、マリインスキー劇場でプティパ作品の復元を手がけているヴィハレフによる復元ということは、多分、サン=レオン版(パリ初演版)の復元ではなく、プティパ版(マリインスキー劇場版)の復元でしょう。それであれば、2003年11月に、ロシア国立ノボシビルスクバレエの日本公演で披露されたものと、基本的には同じものだったのではないかと想像しています。しかし、それでも、以前テレビ放映されたキーロフ・バレエの舞台(92年収録、ヴィノグラードフ版)は、かなり改変されたものでしたから、より原典版に近いプロダクションをレパートリーに持つことの意味は大きいと思います。

なお、央さんのブログの、
http://www.stage-door.net/blognplus/index.php?e=7
に、このNBAバレエ団による今年1月30日の「コッペリア」の公演の感想、レポート記事があります。
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